コラム column
カナダの医学者ウィリアム・オスラー(William Osler, 1849年7月12日 - 1919年12月29日)は
「Medicine is a science of uncertainty and an art of probability. (医学は不確実性の科学であり、確率のアートである)」
という言葉を残していますが、臨床現場ではサイエンス偏重に偏りがちであり、
人間性やコミュニケーションなどはややもすれば軽視されることがあり、
意図的にアートに触れ、感性を磨くことが重要と考えています。
医療・介護・福祉関連のトピックはもちろんのこと、芸術・時事問題・ポエムまで、徒然なるままに記述するコーナーです。
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イギリス下院で「安楽死」法案が可決。(上院で棄却される可能性はまだあります)
未分類驚きのニュースが入って来ました。イギリス下院議会で「安楽死」法案が可決されたというのです。対象者は「18歳以上、余命6カ月以内の患者」であり、国民の7割以上が支持しているそうです。安楽死は日本ではまだ緩和医療や・在宅系の学会でもあまり扱われていないと感じます。厳格な安楽死決定プロセスは当然ですが、標準的な緩和ケアが提供されるていることを背景としたうえで、専門的な人物を軸としながらも国民的議論が行われるべきテーマだと考えています。イギリスでは安楽死の議論が、少なくとも学会や勉強会などでは日常的に行われていたのでしょうか?イギリスで医療に従事されている方から、このような返信を頂きましたのでご紹介します。〜〜〜 【Dignitas】 http://www.dignitas.ch/index.php?option=com_content... という組織があり、英国の方も利用している現状で、私の同僚の精神科医の患者さんの中でもひとり、Dignitasと関わった方がいた事を勉強会で発表した事はありました。https://www.dignityindying.org.uk/why-we-need.../dignitas/ ホスピス関係でも議論していることは聞いたことはありますが、日常的には議論されてはいないと思います。〜〜〜なるほど、Dignitasは聞いたことがありましたが、すでに国内でも利用している組織があったようです。日本でもSNSなどのアンケートで、安楽死賛成派が多数を占めているのを見たことがあります(回答者のバイアスが多分に存在することには注意が必要です)。緩和医療を提供していると、「もう死なせてほしい」という方にも、「何とかして生きたい」という方にも出逢います。安楽死議論、本邦ではどうなっていくのでしょうか。
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